カテゴリ:映画( 14 )
バグダッド・カフェ
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私の大好きな映画 『バグダッド・カフェ』
荒涼とした砂漠を走る高速道路。その傍らに1軒のドライブイン(モーテル&カフェ)。
黒人女性が主のバグダッド・カフェ。
うだつのあがらない亭主、わがままな娘、モーテルに住み着く風変わりな客たち。
砂漠と同様、うらぶれたカフェ。女主人の心も乾いている。

そんなある日、一人の太った中年ドイツ人女性が客としてやってくる。
はじめは、この場所に似つかわしくないこの白人客をいぶかしがるカフェの人たち。
彼女も、実は深い悲しみを抱いてこのカフェへたどり着いたひとりだった。
彼女は多くを語らない。でも、少しずつ固く閉ざされたスーツケースの荷物を
ほどくように、徐々にカフェの生活に馴染んでいく。
やがて、カフェの人たちも、彼女の行動に少しずつ心をほぐしていく。
彼女は何も言わない。ただ相手の話を聞く。うなずく。相手を認める。
カフェをキレイに掃除していく。美味しいものを作る・・・・。
彼女の風貌そのもののようなおおらかな心で。
彼女を鬱陶しく思っていた女主人も、やがて心を通わせあい、砂漠のようにすさんでいた
心を解き放ち、二人は深い友情で結ばれていく・・・・。

登場人物たちの心の動きとともに、はじめは枯れた砂漠の黄色い色が濃かった映像が
ラストに向かうに連れ、澄んだ深い青へと変わっていきます。
優しさに満ちた深い青へと。
美男美女がひとりも登場しない映画なのだけど(笑)、ラストには、みんなとっても
チャーミングに見えてくる。
見終わって、優しい気持ちになれる。とても素敵な映画です。
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by varex | 2005-02-23 20:20 | 映画
オペラ座の怪人
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『オペラ座の怪人』を見てきました。
音と色の洪水。音楽と美術(舞台セット・衣装etc)
そのスケールに圧倒されました。

ミュージカル映画は、特に好んで見るジャンルでもなく
舞台版の『オペラ座・・』も未見。
ストーリーも良く知らず、その分先入観無く、のめりこんで見ることができました。
楽曲の素晴らしさは言うまでもなく、キャストの歌もみんなホントに素晴らしかったです。
冒頭シーンのモノクロ画面で、シャンデリアが引き上げられ過去のオペラ座の栄華の時代へとさかのぼっていくシーン(予告でTVでも流れてますね)では、鳥肌立ちました!
ファントム(怪人)にまつわる過去の事件を回想する・・・というカタチで物語は始まるのだけど、
現在をモノクロで、過去をきらびやかな映像で見せる趣向。
過去の忌まわしい事件は、夢か寓話の中の出来事だったかのように、いっそうドラマティックな演出となっています。
舞台版は見たことないので、比較のしようはないですが、舞台を見に行かれない人のためにも映画化したかったのだとか。
納得。舞台を見ているようです。舞台にはないカメラワークでその裏側まで見ているよう。

ただ、ストーリー的にはファントムにもヒロインにも気持ちは同調できず・・・。
ファントムの一途な愛は、あまりにも盲目的。
自分がこれだけ愛情を注いだのだから、相手にも同じ気持ちを求める・・・・。
これでは今で言うストーカーだわ。ま、これまでの境遇からして同情はするけど。
ヒロインも、幼馴染のラウルと、自分を音楽の高みへと導いてくれるファントムとの間で
揺れ動いちゃうわけだけど、ラウルに対しては恋愛感情間違いなし。
でも、ファントムに対しては、(亡父への思慕と重ねたとしても)愛情じゃないでしょ。
自分をオペラ座のプリマへと押し上げてくれる人・・・・。
つまり、恋愛(ラウル)と仕事(ファントム)のどっちを選ぶ?
という選択だったように思うわけです。斜に見すぎかしら(笑)
終盤、マスクをはずしたファントムの顔があらわになるのだけど、恐怖を感じるほどの
醜い顔ではないのですよね。私から見ると。
顔半分は完璧にイイオトコだし。
「その顔を見ても、もう恐ろしいとは思いません。ゆがんでいるのはあなたの顔ではなく心なのだとわかったから。」というヒロインのセリフは、ファントムの心に深く刺さったことでしょう。
もっと早く、そう言ってくれる人がいたならね。ファントムの心も救われたろうに。

とにかく絢爛豪華。スワロフスキーのシャンデリアもすごいし、歌もすごいし、仮面舞踏会のシーンなんか、ホント興奮しちゃいました。
この作品は、絶対音響の良い大きなスクリーンの映画館で見なくちゃダメです!

利用価値のない日々の雑学さま
distan日誌さま
トラックバックさせていただいてます。
オペラ座の怪人については、ホントにたくさんのブログで記事が書かれています。
人気の作品なんですね。

写真は・・・
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by varex | 2005-02-08 22:05 | 映画
映画の中のカメラ
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ちょっと映画づいてしまって、このところ続けざまにレンタルして見てます。
*『スクール・オブ・ロック』
30過ぎてもバンドマンとして成功する夢を追いつづけるロック馬鹿の主人公が
ニセ教師として規律厳しい小学校にもぐりこむ。
そこで担当したクラスの子供たちに、ロックを教え込み、コンテストに参加するという話
「レッド・ツェッペリンを知らない?!学校は何を教えてるんだ!」
な~んてマジに小学生相手にロック史を教授したり、ホント笑えます。
最後は「入賞なんて関係ない!俺たちは俺たちの最高の演奏するだけさ!」と
クラス一致団結、ニセ教師との深い絆ができ素晴らしい演奏をする・・・。
というお決まりのストーリー。すごく笑えてホロリとさせられ、エンドロールまで
楽しめるご機嫌ムービー。

*『真珠の耳飾りの少女』
こちらは一転、落ち着いた静かな映画。かの有名なオランダの画家フェルメールが
描いた「真珠の首飾りの少女」(別名:青いターバンの少女)の絵が誕生するまでの話
もちろんフィクションなのだけど、まるでフェルメールの絵の中に入り込んだような錯覚に陥るくらい、映像が美しい。
フェルメールは謎の多い画家だけれど、もしかしたら本当にこの映画のような物語が
この絵の背景にはあるのかもしれない、と思わせてくれます。

さて、フェルメールといえば、レンブラントと並んで「光」を見事に絵画に取り込む画家
として有名ですが、この映画の映像も「光」にすごくこだわって撮られてます。
どのシーンを切り取っても、一枚の絵として成立するような美しさです。
映画のワンシーンで、大きな木箱が登場します。
「カメラ・オプスクーラ」・・・木箱の先端についたレンズから入光して、箱の中に像を写し出す。つまり暗箱。カメラの元祖ですね。
暗箱を覗いて驚く少女に、フェルメールは「光の絵画だよ」と言う。
フェルメールが実際に暗箱を使っていたかはわからないけれど、フェルメールなら
ありえるな、と思います。

カメラが重要な小道具として使われた映画は数多くあるでしょうが、私の中でなんと言ってもはずせないのが、ヒッチコックの『裏窓』足を怪我して動けない主人公(新聞記者だったかな?)が、自宅の部屋から向かいの
アパートの住人を暇つぶしに覗き見していて、殺人(かもしれない)現場を目撃してしまう。
そのときに使われるのが、ものすごい大きな超望遠レンズをつけたexaktaなのです。
当時の報道カメラマンは、こんな使いづらいカメラを使ってたんでしょうかね。
でも、、、映画の中で、(もちろん覗き見だけなのでシャッターは切らないのですが)
カメラのホールドがね、「逆だろ、それじゃ!」と、思わず突っ込みいれちゃいます(笑)
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by varex | 2005-01-26 20:15 | 映画
ネバーランド
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写真とは全く関係ありませんが、「ネバーランド」という映画を見てきました。
たまたま私の空いてる時間と上映時間が一致したことと、ジョニー・デップが主演という理由で(ファンなんです♪)、映画についての予備知識無く見たのだけど、とても良かったです。
「ピーターパン」の作者のジェームス・バリ(J・デップ)が、ある家族と出会い交流し
その交流を通してピーターパンの戯曲を書き上げる過程の話なんだけど・・・。
「いつまでも少年の心を失わないで」とか、「信じていれば奇蹟が起こる」とか
そういう安っぽいテーマではないのですね。
この映画の根底にあるのは、もっと深く、人間の生の営みそのものというか・・・。
「純真な子供の心」「成長すること」「大人になること」「老い」そして「死」。
特に人生の終焉「死」について、とても真摯に描いている作品だな、と思いました。
ラストで母を亡くした少年に「お母さんはネバーランドにいるんだよ。」と語るシーン。
でもそれは、「死んだらお星様になる」というのとは全く違って、この映画全編を通し
「死」というものをちゃんととらえているので、深く胸に刺さります。

これから見ようと思う人にネタバレになってしまうので、詳しい内容には触れません
が、主人公のバリが、自分の家族の悲しい過去を語るシーンや、ピーターパンの
初演後のパーティーでの老婦人との会話とか、「死」と「遺された家族の悲しみ」
についてすごく考えさせられました。
今時の映画にしては短い上演時間(2時間弱?)、過剰な演出もなく、穏やかに
流れていく映画です。
もう一度見たい。子供たちにも見せたい。お奨めの映画です。
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by varex | 2005-01-22 22:46 | 映画